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会見に集まった報道陣からは、多くの質問の手が挙がった=2025年1月27日午後5時53分、東京都港区、友永翔大撮影
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 フジテレビは、中居正広氏が女性との間で起こしたトラブルをめぐる一連の問題について、2度の記者会見を開きました。テレビカメラの撮影禁止、10時間に及ぶ質疑など異例ずくめだった会見。これをどう見るか、テレビ東京で報道に携わり、現在は企業のPR戦略に携わる下矢一良さんに話を聞きました。

厳しい質問にさらされ続けた2回目会見

 ――今回の一連のフジテレビの対応についてどう見ましたか。

 「大きな失策を重ねていったと思います。まずは初動ミスです。週刊文春による報道後すぐ、根拠を示さず、フジテレビには問題なしととれるようなコメントを出したことです。世間には傲慢(ごうまん)だと映ったのではないでしょうか」

 ――記者会見は2度ありました。そちらはどう思われましたか。

 「批判の高まりを受けて、1回目の記者会見を開きました。しかし、テレビカメラを入れずに静止画を流すという、テレビ局としてあるまじき形でした。何かを隠しているという強い印象を社会に与えたと思います」

 「定例会見の前倒しの形でしたが、本来、テレビは映像で物事を端的に分かりやすく、そして、感情を伝えるのが強みです。そのテレビというメディアの本質と存在根拠を自ら否定するような、最大の失策だったと言っていいでしょう。この対応は今後長く、フジテレビの報道に影を落とすのではないかという懸念があります。フジテレビの記者たちが会見を取材するにあたって、『あなたの局は、記者会見でカメラを排除したではないか』と言われるかもしれません」

 ――テレビカメラが撮る映像には伝える力がありますが、一方で、有無を言わせずカメラを回す光景には暴力性を感じたこともあります。

 「他者に対してそれをしてきたテレビ局が、自社の会見ではカメラを締め出したことに、私も大きな驚きを感じました。姑息(こそく)な印象を人々に与えたでしょう。報道の経験者なら、そうした発想にはならないはずです」

 ――2回目の記者会見は、メディアなどで参加対象を区別しない「フルオープン」で開かれ、10時間に及びました。

 「2回目の会見は、フジテレ…

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